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内藤銀器流、ペーパーナイフの作り方2020年06月25日

内藤銀器では、切れ味を出すため、叩いてしめた(硬くした)銀を
使ってペーパーナイフを作ることにこだわっています。

材料は厚さ3.0mm~4.0mmの925。
完成系の長さの半分か3分の2くらいの板を用意します。
ペーパーナイフ製作工程・材料の板

なまします。
ペーパーナイフ製作工程・火をあて、なましているところ
綺麗なサーモンピンク。
ペーパーナイフ製作工程・赤くなりなまった材料

なましたら金槌のカラカミ(細い方)で叩いて伸ばしていきます。
叩くとどんどん硬化します。
硬くなったらまたなまします。この作業を3~4回繰り返します。
ペーパーナイフ製作工程・叩いてのばし、鍛えていきます
ある程度の長さまで伸ばしたら、金槌の平らな方で、
カラカミで叩いた際の凸凹を平らにならしていきます。

これで必要な長さと硬さの板のできあがりです。

最初から必要な長さの板を用意すれば良いのですが、
叩くことによって硬くすることで、ペーパーナイフとしての強度と
切れ味を出すことにこだわっております。

出来上がった板を糸ノコで透かします。
糸鋸で切ることを「透かし」と呼んでいます。
ペーパーナイフ製作工程・透かし

ペーパーナイフの輪郭ができあがったので、
やすりで先の方が細くなるように摺ります。
やすりで削ることを「摺り(すり)」と呼んでいます。
刃の部分は気を付けながら薄くしていきます。
ペーパーナイフ製作工程・摺り
持ち手から刃先まで一直線にするのがポイントです。

持ち手は別の板を用意し、ハンダ付けします。
ペーパーナイフ製作工程
ペーパーナイフ製作工程
最後にきしゃげで削り、砥石をかけ、炭でとぎます。
研磨したら完成です!

左・砥いだ後(研磨の前)、右・砥ぐ前
ペーパーナイフ製作工程


ところで、何故わざわざペーパーナイフのが存在するかご存じですか?

ハサミやカッターでも開封は可能ですが、わざわざペーパーナイフ
を使うのには理由があります。

それは、ペーパーナイフは紙を裁断する事に特化しているので、
より紙を真っ直ぐ綺麗に切る事が出来るのです。

ペーパーナイフのいちばんのポイントと言われている点は
切れすぎない刃です。
ハサミやカッターなどの鋭利な刃物は紙の繊維に関係なく紙を
カットしてしまいます。

ペーパーナイフの場合、あえて切れすぎないように紙の繊維に
合わせてカットが可能なので、折り目があれば手軽かつ綺麗に
折り目通りに封筒を開封することが出来ます。
程よい切れ味のおかげで中身を誤って切ってしまう事も防げるのです。


さらにさらに。

15世紀頃にヨーロッパで活版印刷術が発明され、
さまざまな印刷物が販売されるようになりましたが、
当時の新聞や本などの書物は裁断されずに販売されており購入者が
自分でカットしていたそうです。
袋閉じの状態のものをペーパーナイフでカットして開かないと読めなかったのです。

現在のような断裁技術がなく、綺麗に切り揃っていなかったのです。
当時の人はカットしながら本を読み進めていたんでしょうか?
それとも先に全部カットしてから読んでいたんでしょうか?

どちらにしても昔の紙は質も悪そうですしペーパーナイフの切れ味も
今程ではないでしょう。カットするときに失敗していびつな
カットの仕方になってしまったら悲しくなりそうですね。

ちなみに、断裁がされずに仕上げられた本のことを
アンカット本、フランス装というそうです。

ところで、
海外には綺麗な装飾のペーパーナイフがたくさんあります。
もし海外旅行でお土産として購入されたら手荷物にはせず
必ず預けてくださいね。カッターナイフのような切れ味はなくても
没収されてしまいますよ。お気をつけください。

ちなみにペーパーナイフと同じようにレターオープナーという言葉
がありますが、実はレターオープナーは機械なんです。
興味のある方は調べてみてください。

もしペーパーナイフで綺麗にカットできない方は折り目を
綺麗につけてからカットしてみてください。
綺麗にカットすることができますよ。
封書の開封にはやはりペーパーナイフがおすすめです。
切れ味や使用感は他にないものだと思います。
使用したことがない方にはぜひこの感覚を感じてただきたいと思います。

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