剥離をすると地が荒れる
メッキは金属の表面に別の金属を電気で吸着させることですが、たまにメッキを剥がしたいことがあります。
メッキを失敗してしまったり、メッキ前にするはずのことを失念してしまったり、修理をするために一度メッキを剥がさないといけない場合など、ケースは少ないですがメッキを剥がしたいことがあります。
メッキはペンキのように爪でポロポロと削ることはできません。
バフで磨き続けて落とすこともできますが、時間がかかります。
そこで剥離液に漬けてメッキを落とすのですが、リスクがあります。
それは下の写真のように表面がガサガサに荒れてしまうことです。
また、ハンダ付けをしている個所などは、下の写真のようにハンダがひけてしまい、つなぎ目があらわになってしまいます。
表面が荒れてしまうので、改めてメッキをするには表面を再研磨する必要があります。ガサガサになった表面やひけてしまったハンダのケアも必要です。
メッキ製品の修理などのご依頼を頂くことがございますが、元の素材が何なのかわからないこと、表面が荒れてしまいもう一度研磨工程からやり直さないといけないこと、再メッキをすることなどから、新しいものを作り直した方が安くなるケースがあります。
メッキ製品は初期コストが安くおさまりますが、アフターケアが難しく、長く続けて使うものには向いていないことがあります。
銀製品の場合は変色しやすいですが、変色は簡単に落とすことができ、長く世代を渡って使うことができます。
メッキをするということにはリスクがあるということを知って頂ければと思います。