タイ止めとカフスについて
紳士用のアクセサリーの定番と言えばタイ止めとカフスと言っても過言ではないでしょう。
弊社は銀製品の中でもどちらかと言えば大きな製品が得意なので、あまりアクセサリーのお取り扱いはないのですが、ねこ関連製品は特別に社内でデザイン・製作している関係上、色々調べてみました。
〇カフスについて
カフスとかカフスボタンという言い方をしているかと思いますが、これは英語ではなく和製英語だそうです。驚きですね。
海外ではカフリンクスと言うそうです。
カフスは基本的に留め具の形式で区別されています。
スウィヴル式、チェーン式、固定式、ラップアラウンド式、スナップ式、紐式などです。
チェーン式は1640年頃~1920年頃に主に使用されていました。モチーフと留め具をチェーンで繋いだタイプです。一部の礼服マナーでは相応しくないとされているところもあるそうです。
固定式は、棒状のパーツの両端にボタンのようなものが付いており、そのまま袖口に通して留めます。留め具のサイズによっては使用しにくいものがあります。
スナップ式は、二つに分ける事ができメインモチーフをスナップボタンで繋げて使用するタイプです。1920年頃~1940年頃にかけて流行しました。
スウィヴル式はよくみると思います。T字状の留め具をI字になるように起こしてシャツの袖口に通して再びT字にして使用するタイプです。1600年代にフランスで生まれ王族や貴族の集まる場、社交界で使われだしたことがはじまりのようです。
弊社のねこカフスはこの仕様です。
ゴールドやシルバーを職人がハンドメイドした高級品だったようで、きっとみごとな装飾を施したものだったのでしょう。
その後1800年代に一般市民が使うようになったようです。200年も後のことになるんですね。
元号でいうと江戸~明治の時代です。ネクタイピンとかぶる時代です。日本ではまだ歴史の浅いものですが海外では長い歴史のあるアイテムだったんですね。
〇ネクタイピン
ネクタイピンは、ネクタイを留めるアクセサリーの総称をいいます。
タイピン、タイバー、タイ留め(タイクリップ)、タイタック、タイチェーンなどとも呼ばれています。
現在ビジネスの場で多く使われているのはタイ留め、タイバーだと思います。
2つの違いを簡単に説明します。
まずタイバーは一つの金属棒から出来ています。
一般的にバネ等の付属物が無いためシンプルな着こなしに向いていると言われています。
一方タイ留め(タイクリップ)ですがシャツとタイをバネの力で挟む物なのでバネ等の付属品が付き、ダイバー程のスッキリさはありません。ですが忙しい朝に装着しやすく、落としにくく、タイを痛めにくいという特徴があります。
ところで、タイピン、ネクタイピンって英語だと思っていませんか?
実はこれも和製英語なんです。ヨーロッパやアメリカなどではタイバーと呼ぶのが一般的なようです。
1870年頃にはピンタイプの形状のものが使われ始め1920年ごろには挟むタイプの形状のものがあったようです。形状によって呼び方を変えているのは日本語独自なのでしょうか?
ちなみにネクタイは1851年に帰国したジョン万次郎によって持ち込まれたと言われており、日本で一般的に使われるようになったのは1887年頃のようです。40年近くも経っていたんですね。
元号でいうと明治時代です。鹿鳴館、文明開化の時代というとお分かりになるでしょうか?
その後日本でネクタイピンが広く使われるようになったのは戦後のようです。1945年が終戦にあたりますので日本で広く使われるようになってからまだ歴史が浅いんですね。
カフスについてはこちらのサイト様やこちらのサイト様で詳しく解説されておりました。
読んでみると面白いです。