銀でお湯を沸かそう

作り手のジレンマ、それは、
「自分たちで使いこむことなく、作るだけで終わってしまう」こと。
どうしたってお客さんに完璧な状態でお渡ししたいですから。


純銀製湯沸かし「ひょうたん」
純銀製湯沸かし「槌目」

とはいえ、作るときは常に使う人のことを考えて作ります。
持った時のバランスや、注ぎやすさ、さらにフタの裏側に吹きこぼれ防止の湯返しの細工をしたり、見えないところにも気を配っています!!
しかし、案外と言いますか、盲点と言いますか、実際にお湯を沸かして飲んでみたことがなかったので今回はそんな実験をしてみました。

せっかく完璧に仕上げた製品を使うのはさすがに気がひけたので、仕掛中の湯沸かし(純銀製)を使ってみることにしました。
銀器でお湯を沸かしているところ

南部鉄器などは沸かしたお湯を飲むと鉄分を摂取できると言います。さてさて、純銀製湯沸かしにはいったいどんな効能が・・・
さ、お茶が入りましたよぉ~
お茶

実験①
水道水を普通のやかんで沸かしたお湯と
銀器で沸かしたお湯の飲み比べ。

実験②
ミネラルウォーターをそのまま飲むのと、
銀器で沸かしてから飲んで味比べ。
※温度で分からないように両方とも常温まで冷ましました。

実験③
普通のやかんで沸かしたお湯で入れたお茶と、
銀器で沸かしたお湯で入れたお茶の飲み比べ。
※使用した水はミネラルウォーター



~~~~結果~~~~


実験①は失敗!!

目隠しをして飲んだ社員たち(自分も含む)の第一声

「不味っ!!」

思わず「これから銀器で沸かしたお湯を飲みまーす」と挙げたツイートを削除するほどの威力でした。

水道水をただ沸かしたお湯はカルキの味がよりいっそう際立ち、(それは台東区の水道のせいか、弊社の水道管のせいかはわかりませんが)、銀器で沸かしただけでは除去できませんでした。よく考えたら火の熱を水に伝えているだけですので、不純物の除去は素直に浄水器に任せた方が良いという結論になりました。
ただ、お湯が沸くのは早い気がしました。タイムを計ったわけではないので体感ですが・・・


実験②はなんとなぁ~く成功。。。

ミネラルウォーターの飲み比べでは本当になんとなく、勘違いかもしれない程度になんとなぁ~~~~~く水がまろやかに感じました。目隠し社員の正解率は80%といったところでした。


実験③は合格点をあげたい。

お茶の飲み比べでは勘違いではない程度になんとなく、まろやかに感じました。苦みや渋みが消えちゃったような気もしましたが、味に微妙な変化があり、目隠し社員の正解率は100%でした。

銀は熱伝導率が金属の中でも最高クラスに高く、また銀イオン効果があると言われているので、そのあたりが味に影響したのかもしれません。


味に劇的な変化があるという期待をして飲んだ我々には多少がっかりする結果となりましたが、やはり火の熱を水に伝えているだけなのに味に微妙な変化が現れたということは、銀器に限らず調理器具で料理の味が変わることを示唆しているのだと思いました。
これからも銀器の可能性を探っていこうと思います。