銀のお寿司の桶を製作させていただきました


ある日、突然1本の電話が入りました。
内容は銀製でお寿司の桶を製作できませんか?という内容で、当初は直径40センチをご要望させておられました。
詳細をお聞きし、目的は「銀のさら」さんが、銀の桶でのお届け開始というエイプリルフール向けの企画でした。

これは面白い!!と思ったので、前向きに検討する旨をご案内し、実際ご予算がどれくらい掛かるか計算しお伝えすると、想定コストから予算オーバーであること、目安の予算から40センチで製作する場合材質は何になるか、銀で製作した場合何センチならできるか、これらを早急に図案を作成してご提案しました。
すると40センチより素材に拘りたいというお返事を頂戴し、作り方を現場と会議をして案を出し合いました。

でも、普段出前用のお寿司の桶は目にしますが、どういう形状か定かではなかったので、
実際に「銀のさら」さんから出前とろうか?と言ったところ、
社員のひとりが「まさか一人前ではないですよね?」とぼやきおって、
上等じゃねえか!!」と、人数分の7人前、取り寄せました(笑)

お寿司が届きました

食べるために出前したのではないから、しっかり図案を作成して頂戴よと言葉を掛けましたが、あまり聞いてなく、皆笑顔で口に運んでおりました。

実物あると強いです。
美味しく頂きました。空っぽの本家寿司桶
すぐに形状変更、そして最初の図案をA案、出前後の修正案をB案、サイズ違いでC案、それぞれのイメージ図とお見積をご案内し、その後もご要望を伺いながら直径20センチでご提案させていただきました。

その後、企画の内容から、4月1日までに写真撮りやSNS資料のご用意もあることでしょうから、逆算して3月20日を目途に正式発注、しかし、もらったのは良いけど、本当にうまく製作できるか、不安なところもありました。
作り方は幾つかの選択肢はありましたが、予算や銀の重さを考慮し、専門用語でガラ、要は中が空洞、それを、どこで繋ぐか、またイレギュラーが起こりにくく、きれいに上がる方法を弊社から外注先のヘラ絞りの職人さんに色々相談し、用心して、1つではなく銀と真鍮で1つずつ、絞って、まずは真鍮で問題点がないか試作、一番気掛かりだったところは、溶接作業は不可欠なので、火をあてて、材料が反らないか、それが原因で置いた時の、がたつきが心配でした。でも全てクリアし確信をもって、本番の銀で製作しました。

製作の途中も、お客様が確認のためご来訪され、製作しているところや現場のお写真をお撮りになられました。

そして納品、大変喜んでいただき、楽しいひと時でした。その後、再びご来訪、撮影したものを見せていただき、この撮影用のお寿司は本物ですか?そのお寿司は?みんなで食べちゃった等、その場にいた者は皆笑顔がはじけました。
鏡面仕上げの銀製寿司桶

新しいことに挑み、成功体験を残せました。
今は出来るだけ早く、またご一緒出来る日をお待ち申し上げております。ありがとうございました。