苦手=克服するための努力をするべきか、あえて他に任せるか


今月は苦手をテーマに考えてみることにしますね。先日も新規でお会いした方から、
小便小僧を製作したい、ただ尿路結石をイメージしたいから、銀の粒が少しずつ落ちてくるよう、
出来るか否かというご来訪でした。
弊社では過去に砂時計を製作した経緯があり、その際にタッグを組んだ方に相談すれば、
何とかなると思う旨のお返事を致しました。

恐らく材料を溶かして流し込む鋳造の分野になるかも?と申し上げました。
その際、弊社も信頼できる委託業者が存在するので、
苦手とは申しませんが得意ではない。弊社が得意とするのは板から曲げたり叩いたり
溶接したり等の板物加工ですと申し上げました。
ついでに私の得意分野と苦手分野もお伝えし、私の苦手とするところは、
社員さんたちがフォローしてもらっていることも、
ちょっとユーモアを混ぜてお話させていただきました。

そして、私共のやりたいこと、それは「隙間」だと、誰ならこの企画の品を製作してくれるか?
という問いに積極的に前に出たい、そして一番手を出したくないのは、
数が多くて、利益が薄い、そう銀盃は苦手ですと、思いっきり公言しました。
それには理由が存在し、定時を超えて残業してもらわないと間に合わない、
その為に、他のお仕事に影響が出る。
そもそも弊社は、ここ10年近く残業無しの会社で、1日8時間、週40時間の範囲内で、無駄を省き、
出来るだけ能率を上げる努力を推奨しております。
社員さんの半分が職人である弊社は、過度の労働時間の延長は集中力が落ち、生産性も落ち、
ミスを招く恐れを先代の時から危惧しておりました。

つまり長所と短所を真剣に考え、短所の改善を図るべき事象は検討する。
ただし全てに対応できなくても良いと考えております。出来ない物はできない、
その理由を明確にすれば良と思っております。。

しかし今までは何なくできていたことが、人がいなくなったことで出来なくなる。これは了承しかねます。
だって見て真似れば良い、ホウレンソウである報告・連絡・相談すれば良い。
新たな弱点は会社の将来に影を落とします。それでもNoを言わざる負えない時、
何故そうしなければいけないか、それと同時に新たな武器を提示しないと、
明るい未来を迎えることができないと考えます。

話を戻しますが、先程の尿路結石のお客様、再度ご来訪になられ、、
話が大変面白かった、なかでも純銀製の鍋で目玉焼きを作ると美味になるという新聞記事から以前
製作依頼が1枚入り、その際2枚製作、本当においしいか試してみようと昼休みに
社員皆で味比べをしたことをお話したら、よくそんなことが思いつきましたね?
だって確かめたくなりません?
やった結果は?
確かに味がまろやかでしたと申したら、新規でオーダーメイドのご注文をくださいました。
ありがたいお話ですよ。こんな楽しい会話になるのも、得意不得意を明確にして、
お客様からも新規アイテムのヒントを頂戴できる、
それを面白おかしくお伝えする。

私はこんな営業スタイルです。同じやり方を社員さんには推奨しておりません。
でも武器は持たなければビジネスパートナーは見つけられないことは明確です。

私を見て思うことがあれば、良いところは真似をし、沢山ある駄目な所は真似しない。
これだけで良いんですけどね。