個性を磨く


先日社員さんから、老舗のお客様への提案が決まりかけていてと、記念品を見せられました。
見て、ビックリするくらいシンプル、これではお金の取りようがないというのが第一印象でした。
何個で見積もるの?と聞いたところ、100個を予定していると返ってきました。

有難いことに、このお客様が弊社に対して、毎月売上を計上してもらいたいと考えてくださっているそうです。
元々は叔父の知人の方からの紹介で私が飛び込んだお店でした。
いつも丁寧に接していただき、毎回お伺いする際に宿題をくださり、それをしばらく継続してきました。

私が代表になり、仕事が増えたため外交を若い社員さんに託したことで、交流が少なかった時期がありました。
久々にお店へ伺った際、担当の方が不在で店の中を見て回った際、
社員さんがしばらく通ってないなと気付きました。
確認したら足を運んでなかったようです。

私は怒りました。
用のあるところだけ顔を出しても、お客様は開拓できないからねと。

そこで新製品を開発し、顔を出しにくくなったところに足を運ぶため、
なかなか着手しない現場を急かし、3ヶ月くらいで完成したのが銀製の竹香炉です。
銀製竹の香炉

そうして持ち込んだところ、これ預かってもいい?できれば社長に相談して、買取らせてもらいたい、
とおっしゃられたそうで、その後購入となりました。
御礼の連絡を入れた際、今まで提案やお見積がなかなか決まらず、その経緯で今回の運びとなったと想定しておりますと申したら、そう思っていただければ有難いですと返ってきました。
本当にうれしかったです。また温かく迎えてくださったこと、感謝以外、言葉が見つかりません。

それから、色々オーダーメイドで製作させていただいておりましたが、
単発物なので、定期的に納品書がきれていないというのが現状でした。
そんなことから、お客様からの要望で試作品を製作したそうです。

今回のご要望はイベントや行事で使っていただくことでした。その際の予算、数量等をおっしゃられたそうで、そのご希望とおりの内容で対応したそうです。

私は、その社員さんに何と言ったか?
「案件が決まったのなら、よくやったと言ってあげたいが、このサンプル、誰でも製作できる。私なら何か考え、もう1点サンプルを製作するよ。
それも他社で製作できたとしても、このアイデアは思い浮かばないようなもの。
だから外交しなくなって15年以上経っても未だに何件かのお客様からご指名いただけているのかと考えている。できるだけ安価で面白い、そんな職人の気遣いを見ていただかなければ、自分の個性が発揮できないよ。」
と、こんなお話を致しました。その後、現場の者にも、人と同じことやっていても、コストを下げないと、
競争できない、それより遊び心をふんわり付け加えてお見せする。
今回決まらなくても、残像として受け止めてくださる、そして期待値も上がるよと、語りかけました。

弊社ではこんなことを日頃から習慣付けておりますので、何かお役に立てる案件がございましたら、よろしくお願い致します。



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