イレギュラー対策


このところ紅麹における健康被害について、連日報道されております。
いったい何が原因で有害物質が入り込んだか?
ヒューマンエラー説を唱える方もいらっしゃるようです。
仮にそうであれば、何がいけなかったか、徹底的に検証するべきだと思います。

しかし、もう1つエラーを指摘されておりますよね。
それは健康被害報告が上がってから、発表までに、かなりの日数が掛かってしまったことです。

これは会社の業種や規模は異なりますが、どこでも起こりうる事案だと思います。
したがって参考にするべき点は注視しなければなりません。

先日、オーダーメイドで記念品を製作させていただきました。
あとはホテルに発送するだけだったのですが、先行して送った品をご覧になられたお客様から、
日曜の夕方、電話が入り、言い難そうにおっしゃられました。
全ては確認して着手してもらいましたが、出来上がった品とイメージ図が違うと
上司から叱責されました。何とか対処できませんか?今までで一番怒られたそうです。

私としては、いつまでにお入り用か、問い合わせた所、タイムリミットは翌週水曜の18時でした。
一度電話をきり、実物を確認、データ通り完成しているため、対処方法は1つしかなく、
それをお客様に伝え、その日の夜から動き、何とか間に合わせることができました。

無事納品が完了し、お世話になった業者さんに御礼を申し上げに行きましたところ、
笑いながら、「無茶ぶりする銀器屋さんですか?」と言われ、私は、「それを受ける業者さんですね?」と返しました。

今回、何故怒られたか、記念品のイメージが異なったことも理由の1つだと思いますが、
仕上がった時に何故確認しなかった、その時に気づいていたら、
もっと良い方法が見付かったかもしれない、恐らくそういうことだと思います。

弊社でも先日、カップの底板が取れた、まだ昨年の分も1つあるから、送り返しますねとメールが入りました。
私はいやな予感がしたので、現場に確認しました。誰が組み立てたか?
原因が思い当たりました。そこでお客様に連絡、
先日お送りしたカップ、急ぎの分を除いて、全て送り返してもらえませんか?と、
そこまでしなくても、外れたのは1つだけですから。
でも理由を述べて、送り返してもらいました。
そもそも底板はハンダ付けです。ハンダはのり付けより、はるかに強力ですが、
1年365日、常に力が加わっていると、時間経過とともに外れることがあります。
またカップと木台を組み立てた時期が2月末から3月初め、この時期は乾燥していて、
木台も縮みます。木は切り倒した後、どんな木でも必ず伸び縮みします。
ですから乾燥時期は緩めに、入梅時期は強めに組み立てるのが適正です。

このことを教えずに入社してまだ日の浅い社員さんが組み立てたのです。
彼が悪いのではなく、教えない者がいけないのです。

1つ取れた=今後も幾つかとれるかも、そう思い、全商品返送してもらうことにし、
一度木台を外し、再度ハンダを付け直し、改めてお送りしました。

この方が安心していられるし、立て続けに外れたりしたら、弊社の信頼を無くしかねません。

人のふり見てという言葉があります。おおごとにならずに防げる「間」が存在するならば、
それを見極めないと、挽回するために相当の手間暇が掛かることでしょう。

そのためには、隠し事をせず、謝る勇気も必要ですね。