弊社の看板製品


今月のコラムはいつもと趣向を変えて、弊社の看板製品のご紹介をさせていただけたらと思います。物造りに携わった者の「こだわり」と「内藤銀器製作所イズム」が反映されておりますので、ご案内させていただきます。

そのアイテムとは「ラピストン洋酒セット」です。これは確か銀器組合の展示会に出品するために企画したもので、その際、賞を頂戴したかと思います。
ラピストン洋酒セット
まずはデザイン製を重視し、今はイラストレータを使いますが当時はトレッシングペーパーに書いては消し書いては消しを繰り返し、修正しながら何枚も図案を作成し、一番美しいフォルムのもので製作に入りました。
もう一つの目的は技術力です。生地から製作し、樹脂を飴上にしたものを塗り固め、研ぎ出し、磨く、そして鋳造ではなく板からの加工、ここまでの過程を製作できるのは、未だに弊社だけだと自負しております。

弊社では「ラピストン」と呼ぶ色出しは、エポキシ樹脂を研ぎだした物で、七宝に比べても色が鮮やかで、色数も豊富で、割れにくく高級感が漂います。以前STデュポンがライターに使用しておりました。ただあくまで平面は研げても、曲面は難易度が高いことから、丸い形状の物は、ほぼ弊社以外存在しません。

実物をご覧になっていただければ、ラピストンの美しさ、また各パーツも1枚1枚、板から加工し、太さの強弱もバランス良く、完成に至ったものは、商品というより作品に近い品だと思っております。
弊社は先代から、クレームが来ない記念品を製作するのではなく、お客様に喜んでいただける物を製作するよう、私も刷り込まれてきました。そして難しい案件でも簡単に逃げない、これが弊社のイズムで、この「ラピストン洋酒セット」も何回か挫折しながら、ようやく思い描いた出来まで完成に至った贅沢な品です。

この品もすでに弊社の当初の目的は達成しましたので、現在作成した時の単価ではなく、当時の作成単価でお譲りできたらと考えております。

もしご興味がおありであれば、お写真や資料を送らせていただきますし、弊社に現品がございますので、ご来訪いただければ、実際手に取って質感を確認できるかと思います。
このように今後もたまには新製品やこだわり深い品の商品詳細を掲載していこうと考えておりますので、今後共よろしくお願い申し上げます。

最後に、今月は30℃を超える日があるかと思えば、12~13℃しかない日もあり、寒暖差が激しい日が続きますが、くれぐれもお体ご自愛なさってくださいね。