記念品が営業してくれました
ようやくコロナも収まってきて、忘年会や新年会の便りが届くようになりました。
ただ、個人的には、もう暫く10人以下の開催であれば参加、それを越えるようであれば、
ご辞退させていただこうかなと思っております。
そんなある日、お客様から「バックルを製作したい、今から行っていい?」
と連絡があり、サンプルを持参されました。何でも、以前オーダーメイドで製作してもらった、お気に入りの品だそうで、
こんなイメージで作成できないか?といったご依頼でした。
サンプルを見て笑ってしまいました。
「これ、以前弊社で製作させていただき、御社に納品したオーダーメイド記念品ですよ」
「えー?覚えていない!10年以上前かな?」と。
そこで工場長を呼び、サンプルを見せたら、製作図面を持参、3年前に製作した物と判明しました(笑)
「わー、ボケちゃったかな?」
「大丈夫ですよ、私もよく使う手ですが、年を取られた方の特権は、見えない、聞こえない、忘れちゃったですよ」
とお客様も含め、その場に居合わせた社員と大笑いしました。
その後、改めて感動が込み上げてきました。弊社のコンセプトの一つ、
“記念品が営業してくれる”
を実証できたからです。
感謝以外、言葉が見付かりません。
また日頃から弊社に多くの修理品が届き、中にはこんな作り方すれば壊れるでしょう、という物を見掛けます。
正直、修理はやりたくないというのが実感です。でも銀製品は長くお使いいただく品であってアフターケアは必要不可欠です。
修理をしていて唯一の恩恵は、職人さんの作り方を学べることです。感嘆する物から呆れる物まで様々ですが、
出来た時は変わりなくても、時間が経過すれば、その差は歴然とします。
それが半世紀近くお使いになられることが事前に解っていて、何故こんな作り方なの?という物も少なからず存在します。
弊社では、納品した後、記念品に営業してもらえるよう、使いやすい、持ちやすい、壊れにくい記念品製作を心掛けております。
何か面白い発想がありましたら、聞かせていただけますでしょうか。私の好きな仕事の一つですから。
どうぞよろしくお願い申し上げます。