コラム 銀ちゃんの『銀が一番』
10月は本来秋晴れが続き一番過ごしやすい季節のはずですが、今年は台風が週末に訪れ、折角の
行楽シーズン、特に伊豆大島の島民の皆さん、お見舞い申し上げます。早い復旧をお祈り申し上げま
す。
ところで話は変わりますが、先日久しぶりにあるご夫婦とお会いしました。そのご夫婦はアンティークシ
ョップを営んでおられて、かれこれ5〜6年前になりますか、ある案件が縁で私がお店にお伺い致しまし
た。
その案件とは、お客様からお預かりしたティーポットを弊社が修理する際、金属の素材をしっかり確認
しないで火をあててしまい、品物を壊してしまいました。その事をお客様に報告し、誠意をこめて謝罪し
たつもりでしたが、ほうがいな弁済を要求され、兎に角そのポットがどのくらいの金額で流通している
のかを見極めるため、朝から数十件歩き、一番良心的に私の話を聞いてくださり、またアドバイスもい
ただけたお店でした。
その奥様から修理依頼のお電話を頂戴し、品物到着後、修理方法をご説明し、了解を経て着手に至り
、ご来訪いただき手渡しいたしました。懐かしくその当時のおもいが蘇ってきました。
当時、お店の名前を出して報告書を製作する事も快諾していただきましたが、相手先からクレームの
電話が入り本当にご迷惑をお掛け致しました。正直人間不信になりかけ、HPの修理のページ を削除
しようかとも考えました。
でも銀製品は長くお使いいただく、その為にはアフターフォローが必要と思い
直し、その時いただいたアドバイスを参考にして現在も修理対応しております。
その修理がご縁でオーダーメイド記念品を製作させていただけた時、自分は間違ってなかったと実感
致します。本当にその節はありがとうございました。
昨今弊社に持ち込まれる修理品の割合で半分が銀製、残りは銀製ではありません。特に依頼なさる
方は銀だと思い込んでいる方が多いです。最近は海外で買ってきたもので、銀でなくても思い出として
残したいという方も増えております。正直素材や溶接方が不明でメッキ加工の物は難しいです。でも壊
れても責任が掛からなければという条件でお引き受けしております。ところが皆がご存知なヨーロッパ
のあるブランドの食器がよく持ち込まれます。そこの日本支社に修理依頼をしても断られるそうで、困
りはてて弊社にたどり着くようです。
ところが弊社でもお受けできません。それは素材が銀・真鍮・銅・洋銀以外の融点の低い金属部が破
損(溶接部が外れる・曲がるなら○、ひびが入ってそこからもげてしまうのは×)するからで、私のあく
まで個人的な意見ですが、車ならリコールものです。
よくもこんな作り方を?と首をかしげます。
参考までに、銀製品を購入する時、刻印で確認できます。そのあたりも少し気になさってみたらいかが
でしょうか。
さて、この銀記念品のHPを製作してもう7年半になります。早いものですね。昨今はリピートでお申し込
みいただくお客様も増え、順調に推移しております。まだまだスタッフも若いので気が届かない事もあ
るかと思いますが、今後ともよろしくお願い申し上げます。