コラム 銀ちゃんの『銀が一番』
9月に入ってもまだまだ暑い日が続きますがお変わりありませんか?学生さんは夏休みが終わってがっかりの
人や待ち望んでいる方もいらっしゃるかと思います。
先日その学生さんが2週間研修に来られまして、しかも女子大生、やはり会社の空気は変わります。
現場は普段黙々と作業しておりますが、人に教える事で改めて気がつくこともあるでしょうし、人に教える難しさ
それとは逆に人から教わる心掛け等勉強になったのではと思っております。
今月はこの研修制度をテーマに致します。
弊社では今から6〜7年前から毎年1人、学校の夏休み期間中に2週間研修を実施してまいりました。
これは弊社が永年お世話になっている方から、なかなか受け入れてくださる業者さんが少ないからお願いでき
ませんか?と頼まれ始まりました。最初は正直どのように接していいか不安な部分もありましたが、それも慣れ
てきて今は個々の優れた部分をどうやって引き出せるかという目的で研修してもらっております。この業界では
人材の確保という問題は永遠のテーマで、この制度の受け入れはその一環でもあります。
例年私共ではまず1枚の銀製のお皿に花の絵を貼り付け、それを切って(透かし)もらう事から研修が始まり
ます。そこで今後の研修内容を決めております。それは本当に本人が希望する製造に向いているか。または
どのような性格かなどを見極める為です。同じような作業を長い時間飽きずにできなければ現場は務まりませ
ん。今回学校の先生にもご来訪戴き、社会に出る為の訓練という意味合いからも、将来甘い気持ちで就職して
傷つくより、夢と現実は大きな隔たりがある事を本人に伝えてもらい、その中で自分がやりたい事を見つけても
らう目的で研修制度があるのだと知らされました。その為には好きなこと以外にも色々な分野に目を向ける事も
必要だとおっしゃっておりました。私も同感です。
今回の研修生は本当に物を作るのが大好きな方で、性格も芸術家タイプでした。そこで今回彼女には今自分
が欲しい物は何かというテーマで、まずは絵を描いて、その中で実際製作可能なもの(コストがかかり過ぎる
ものや弊社ですでに存在するものは除き)のサンプル製作に携わってもらいました。場合によっては弊社の
新型として世に出る事も伝え、弊社社員ともディスカッションしながら物とデザインを仕上げてくれました。
正直2週間では難しいテーマでしたが、弊社を研修先に選んだのも運命ですし、せめて方向性を探していく
手助けになってくれたらいいなあと思っております。弊社としても新鮮で新しい発見もでき、また希望される方が
来年もいらっしゃれば、お引き受けしようと思っております。
また今回は研修期間中業界の組合だよりの冊子の取材をお受けしました。それは次につながる人材の確保の
ためであり、それをもっと掘り起こせば若い人材に参入してもらえる魅力のある仕事場にしていくこと、そして
今回コマーシャルが不足しているのを実感したのは、金属加工=ジュエリーしか選択肢がないと今のほとんど
の学生さんが思っていると教えられた時はショッキングでした。
まだまだ製造に携わる仕事を希望してくれる若者がいるという事は励みになりました。
最近弊社へご来訪いただくお客様が増えました。そのほとんどが修理とオーダーメイド記念品製作のご依頼で
す。どこに行けば直してもらえるか。どこに行けば自分の希望する記念品を製作してくれるか。方々お探しに
なるそうです。まだまだ宣伝が行き届かない現状は歯がゆく思いますが、興味がお有りなら是非弊社まで
足を運んでいただけたらと思います。
暑さ寒さも彼岸までと申します。体調管理にはくれぐれも留意していただき、元気にお過ごしくださいませ。