知ってますか?やっとこ。毎日楽しくやっとこ。

やっとこの絵

「やっとこ」という言葉を聞いたことがありますか?

「やる」という日本語の語尾に「とこ?」を付けた、「やっとこ?」ではもちろんありません。

新型コロナウィルスの影響を受け下火の製造業の弊社、やっとこさ生きております。の「やっとこ」さでもありません。
道具の名前です。
やっとこ

「やっとこ」とは、別名「とこばし」とも言われ、針金や板金を曲げたり掴んだりするための道具です。形状も様々で丸やっとこ、平らっとこ、鍛造物のやっとこ等があります。

弊社では大中小10本くらい使っております。主に鍛造物のやっとこで、熱くなました地金を掴む時等に使います。
種類豊富なやっとこ
なました地金を叩いて伸ばす時には真っ赤になった地金を掴むので鍛造物でなければ道具の方が変形してしまいます。鍛金と呼ばれる作業には欠かせない道具の一つです。刀鍛冶が真っ赤な鉄を掴むときに使うでっかいやっとこもあります。

又、丸やっとこや平やっとこはアクセサリーなどの小物の制作時に多く使用されます。例えば丸やっとこは丸い形状を利用して丸カンを作る等、平やっとこは丸カンの開閉、かしめ等の作業で使われます。

ちなみに、特に平やっとことペンチ(特にラジオペンチ)は同じ様な見た目ですが、大きな違いと言えばペンチには切断機能があり、内側がギザギザしていますが、やっとこに切断機能はなく、挟む部分は平らです。これは挟んだ品物を傷つけない為です。やっとことペンチ(とニッパー)の違いはこちらのサイト様に掲載されています。

やっとこは漢字で書くと奴床になるので、個人的には形が折り紙の「やっこさん」に似ているのでそう呼ばれているのかな?と勝手に想像していましたが、
折り紙のやっこさんとやっとこ
鍛冶屋が使うやっとこ、熱々の真っ赤な鉄を掴むための「焼床鋏(やきとこばさみ)」が語源の一つと言われています。よくよく考えると折り紙のやっこさんよりも製鉄・鋳造技術の方が先にありやっとこよりもやっこさんの方が後に生まれたと考えるべきでしょう。また「矢床」と書くこともあり、語源は諸説あるようです。

弊社で使われているやっとこはこれまで長い時間、職人が使用し、年期も入っているせいもありますが受け継がれ使われているだけあり歴史を感じます。
一生使える道具というよりも、代々受け継がれる道具と言えますね!